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ぜんそくとは?定期服薬のススメ

更新日:2020年5月23日

暑さ寒さも彼岸まで、ぐっと秋らしくなりましたね。

今月はやたらと雨が多く、台風もあり、

具合の悪いお子さん&お母さんが多く見受けられました。

低秋圧の影響を受けやすいのが「気管支/小児喘息」、

「めまい」「頭痛」「関節の痛み」など。

特に、ぜんそくのお子さんは(時に大人も)、

台風が近づくと、それまでなんともなかったのに、

突然発作を起こすので注意が必要です。

今月は、相談の多かった「気管支/小児喘息」について、です。

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小児喘息・気管支喘息は、気道が「常に」炎症を起こしている状態で、

風邪(咳)が悪化して一時的に気管支炎を起こすのとは違います。

①激しい咳き込みに加え、息苦しさや胸苦しさがある

②呼吸時にヒューヒューという笛音やゼーゼーという喘鳴がある

③就寝時と明け方の咳込みが激しく(=ぜんそく発作)、眠れない

④運動後、または急ぎ足や走るなどの後、息苦しさを感じる

⑤喉のつまり感や胸の痛みを感じる

⑥台風の前や、季節の変わり目に悪化する

⑦冷たい空気を吸い込むと咳込む

⑧動物に触れた後からひどく咳が続くようになった

これらが気管支喘息の主な症状と特徴です。

1960年代には、大人も子どもも約1%しかいなかったのに対し、

現在では大人で約3%、子どもでは6%と、増加傾向にあります。

すっかり身近な病気となりましたが、 発作時には気道が狭まり、呼吸が出来ず、

年間2,000人弱の方が命を落とす、実は怖い病気の一つです。

そして、発作時以外はなんら普段と変わらず、元気なので、 すっかり治ったと勘違いされやすいのですが、ここが落とし穴!!

普通の風邪(上気道炎)と違い、気管支喘息は咳症状が治まっても、

気道の粘膜上皮は剥がれ落ちて、「常に」炎症を起こして浮腫み、

「通常時から」空気の通り道が非常に狭くなっています。

ここへ花粉やダニ・ハウスダストなどのアレルゲン (アレルギー反応を引き起こす物質)や冷たい空気が入ってくると、

それらの刺激をきっかけに、分泌物が急増、気道の筋肉も収縮して呼吸困難となるのです。

つまり、治ったと思っていたころに発作を起こすのです!

「慢性炎症」は目には見えないので、

普段症状が出ないと、治ったものと勘違いしてしまうのですが、

実は、空気が通っても痛いほど、内部はひどい状態・・・!

皮がめくれて剥き出しになっているのを想像してみてください(> < )

ですから、発作時だけでなく、年単位でのコントロール=投薬治療が必要になります。

主に吸入ステロイドが中心になるわけですが、

ステロイドは怖いから、と、発作が起きたときだけお薬を使って、 日ごろの気道の炎症治療を怠っていると、気道が却って敏感になり、

発作を繰り返し、悪循環に陥ります。

そうすると、結果的に気道の壁が動脈硬化のように硬くなり

(気道の「リモデリング」といいます)、余計治りにくくなります。

長期使用はコワいと思われているステロイドですが、

服用タイプや注射と違い、吸入タイプは患部の喉にのみ作用するので安心なのです。

むしろ、使用しないで発作を起こしてしまうと、

全身に行き渡るステロイドを使うことになります

喘息は、何年もかけて取り組むべき病気です。

主治医としっかり相談しながら、対策を考えていきましょう。

また、最近では、ゼーゼーヒューヒューいわないけれども、

しつこい咳が続く「咳ぜんそく」と診断される人が増えていますが、

約3割の方が気管支喘息に移行すると言われており、注意が必要です。

さて、では、投薬以外で気をつけると良いこととは何でしょう?

長くなりましたので、また来月、鍼灸治療含め、

ぜんそくの対策について続けていきます。

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