鍼灸室 らくみ 福里真希

2016年10月29日3 分

秋こそ 保温と保湿

夏日だったかと思いきや、翌日は師走並みまで気温が下がるなど、

天候が不安定で、体調も不安定になりがちですね。

10月なのに、季節外れの暑さにつられた蝉の声が聞こえました・・・

それでも季節は確実に秋を迎えています。

東洋医学的に見ると、秋のキーワードは「収れん」「変革」。

「成長」がキーワードの夏から「実りの秋」へ。

皆さんも「収める」こと、「実」になることがありそうですか?

さらに秋は「肺」「大腸」とつながり、「乾燥」に弱い特徴があります。

夏の暑さで開いた毛穴がうまく閉じられないと、

この時期吹く急なからっとした北風に入り込まれ、風邪をひくことになり、

肌もカサカサに乾燥してしまいます。

ですから、単純明快「保温と保湿」、

これが体調を崩しやすいこの時期の対処法です。

お風呂上りにはすぐにクリームを顔だけでなく、腕やすね、お腹にも塗ることで肌を守り、

免疫力を下げないようにします。

肌が乾燥すると、バリアが崩れ、細菌感染などもしやすくなるので、

肌にバリアを作ることで、免疫力を上げるわけです。

特に年齢が上がるにつれ、保水力は落ちますから、こまめな保湿が大事です。

もうご存知でしょうが、お風呂上がりの保湿は5分以内!いえ、3分以内!

ベストはお風呂場の中で保湿クリームなどでふたをすることです。

外に出てモタモタしていると、気化熱により大事な水分が奪われてしまいます。

乾燥が気になる方は、ぜひお風呂場内で保湿してしまうようにしましょう。

保湿剤はどれがいいか分からない・・・

そんな時は白色ワセリンだけでも十分です。

化学的な材料で作られてるものは怖い・・・

そう思われるかもしれませんが、肌が荒れている時やアレルギー体質の方は、

天然成分の方が危険な場合があるのです。

天然のもの、それも高価であればあるほど成分が強い=アレルゲンになりうる

のですから、保湿しているのに荒れる、という場合は、

まずは面倒でも皮膚科を受診しましょう。

肌の荒れに関しては自己判断はキケンです。

特にちょっとした傷口がある場合などは、

お薬含め成分によっては悪化させてしまうこともあるので、

保湿剤を塗る際に、ブツブツや傷がないかをよく確認しましょう。

保湿ができたら、腹巻や襟巻などで、主要なところを冷やさないよう注意しましょう。

風邪は「首」とつくところから入り込む・・・

首だけでなく、手首足首をひんやりさせない注意が必要です。

一日の中でも気温が乱高下しやすいですから、羽織るものや巻物で整えましょう。

それでも冷えたら・・・お灸の出番です。

秋を快適に過ごすことができれば、来るべき寒~い冬もこわくありません。

こんな単純な当たり前のことですが、当たり前のことを怠るとやられます。

気持ちよく過ごすために、「保温と保湿」で気持ちよく秋を過ごしましょう!

どんなに外から温め潤しても、中からの栄養が足りないと意味がありませんから、

食事も不可欠。

滋養たっぷりの果物やお魚、お野菜など秋の味覚が出回るこの時期、

血流がよければ自然と中から保湿保温になりますから、

とにかくしっかりバランスよく食べましょう!

良質の脂とタンパク質の摂れる秋刀魚、

免疫を高めるネバネバたっぷりの里芋、

皮膚をきれいにし、消化を助けるビタミン豊富なりんごにぶどう・・・

体温を保つため、寒くなる方が体の代謝は上がりますから、

太ることを気にせずしっかり食べ、しっかり動いて、

たっぷり秋を満喫しましょう!

次回は鍼灸による保湿・保温法をお伝えします。

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