TVでは、暑い日差しにも負けない、熱い闘いが続いています。
物議をかもしたオリンピックですが、始まってみれば、
選手にとってはどれほどの大きな大切な機会であり、時間だったのかが、
そのプレーや言葉、表情から伝わってきますね。
わが子たちも普段は見ないような競技の数々に興味津々!
女子競泳初の2冠を達成した大橋悠依選手は、
大学一年生の春、原因不明の不調に陥りました。
顔に血の気がなく両親も心配するほどだったとか。
身体が思うように動かず、記録も伸びない。
なんで一生懸命やらないんだ、練習に身が入っていないと誤解され、
相談する人もあまりいなくなってしまって、孤独で本当にどん底だった、と。
(Yahoo!ニュース他より)
その半年後、血液内科で極度の貧血と診断、
治療を受けて体調が戻ると、練習量が一気に増え、 今回の快進撃へと道が開かれたわけですが、
この時低かったのが、鉄欠乏性貧血の原因となる「ヘモグロビン」でなく、
鉄を貯蔵するために必要な「フェリチン」。
フェリチンについては以前もメルマガでお伝えしたのですが、
覚えておいでですか?
一般的に貧血、と言うと、鉄が不足する「鉄欠乏性貧血」を指し、
常の血液検査でも「ヘモグロビン」の数値を見ます。
ヘモグロビンは赤血球を「赤くする」血色素で、酸素の運搬を行いますから、
鉄が少ない
→ヘモグロビン作れない
→酸素運べない
→全身の細胞が酸素・栄養不足
→だるい、しんどい、疲れる、なにもしたくない・・・
いつも利用する階段や坂道で息切れする、などであれば、
おかしいな、とすぐに気づけますが、
朝起きられない、イライラする、注意力散漫で集中できない、
なんだか分からないけど不安・・・という症状では、
ただ疲れ溜まってるのかな、と、見過ごしてしまいます。
フェリチンは、普通の健診でのヘモグロビン値が正常では見つかりません。
貯蔵鉄であるフェリチン減少
→血液中の鉄である血清鉄減少
→最後にヘモグロビンが減少して、貧血、と判断されるからです。
ヘモグロビンが正常で貧血でないと診断されても、
貯蔵鉄であるフェリチンが減少すると、
上記のように、だるい、しんどい、イライラする、朝起きられない、
注意力散漫で集中できない、不安、うつ傾向・・・という症状は出てきます。
心療内科では血液検査は行わないケースも多いので、
身体的異常が見落とされ、抗うつ剤が効かない、ということにもなります。
妊娠中や産後・授乳期は貧血傾向が強くなりますから、
ヘモグロビン値が正常でも、
フェリチン値が低いことで産後うつ症状につながりもします。
また、患者様でムズムズ脚症候群の方がいらっしゃいましたが、
その方も専門医受診をお願いし、鉄剤投与で改善されました。
膝から下が痒い、痛い、感覚がおかしくなる、というムズムズ脚症候群は、
猛烈に気持ち悪い感覚で、気持ちもどんどん憂鬱になると仰ってました。
健康は絶妙なバランスの上に成り立っています。
感染者数の増加に負けず、夏の暑さを元気に乗り切るためにも、
今一度毎日の食生活を大切にしていきましょう。
なお、鉄分だけ摂取しても、材料となるタンパク質が不足しても
フェリチン不足となります!
「タンパク質+鉄」を意識しましょう。
しかし、大橋選手、異変に気づいてから治療を開始するまで半年もかかっています・・・
ご家族とは離れて暮らしていたのかしら?
まずは、家族、コーチ、選手仲間・・・
スポーツ選手は基礎体力があるがゆえに体調不良が見落とされがちですが、
パフォーマンスが下がったら、練習意欲が落ちたら、
一度は身体上の問題を心配してあげてほしいです。
特に成長期の子どものスポーツに関しては注意が必要です!
身体と内面も大きな変化を遂げる中高生の部活などでは特に、
しっかりと寄り添い話を細かに聞いてあげましょう。
本人の訴えの中に、ヒントが隠されているはずです。
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